沖田総司×試衛館時代の幼馴染
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「京へ行くことになりました」
あなたは突然、私にそう言った。
将軍警護のお役目が募集されたこと。
それに道場の仲間たちと志願したこと。
そして、もう二度と、私と会うことができなくなること。
私が泣き出すと思っていたのか。
それを話しているあなたは、困ったような顔をしていた。
だから、私が笑って頷いた時、とても驚いていた。
「会えなくなるのは、寂しいけど・・・。
でも、宗ちゃんの夢が叶うなら、私はすごく嬉しいよ」
嘘。
本当は京へなんか、行って欲しくないくせに。
ずっと側に居て欲しいくせに。
言葉はいくらでも出てくるけど、やっぱり、私の涙は正直で・・・。
「私のことは・・・気にっ・・・しなくて、いいから・・・ね・・・」
やがて、笑顔ももたなくなって。
とうとう涙が溢れ出した。
あなたがいなくなるまで、我慢するつもりだったのに。
「だからっ・・・宗ちゃ・・・んも・・・がんばっ・・・てね・・・」
ぼろぼろと泣きながら、無理やり笑顔つくって微笑んだ。
きっとひどい顔してたと思う。
それなのに、あなたは。
私の頭を優しくなでで、きれいだ、とつぶやいた。
この世のなによりも、君の涙が一番きれいだ、と。
「いつまでもいつまでも・・・あなたはそのままで居てください」
あなたはそれだけ言うと。
私の頭から手を離し、背を向けて歩いて行ってしまった。
薄紅の桜の花びらが、ひらひらと舞い落ちる。
暖かい、春の始まりの出来事だった。